赤坂という都心の一等地にありながら、足を踏み入れた瞬間に静謐な空気に包まれる草月会館。今なぜこれほどまでにミレニアル世代から建築愛好家、海外ツーリストまでを引きつけているのでしょうか。その最大の要因は、「建築・造形芸術・日常のサードプレイス」が奇跡的な調和で共存している点にあります。
高度経済成長期からバブル期にかけて建てられた都内の複合施設が相次いでスクラップ・アンド・ビルドされるなか、草月会館はタイムレスな価値を保ち続けています。2015年にデザインオフィスnendoの手によって2階談話室がカフェ「CONNEL COFFEE(コーネルコーヒー)」としてリノベーションされ、敷居の高いいけばな本部というイメージから「誰もが上質な美に触れられる開かれた文化発信拠点」へと見事なアップデートを遂げました。
かつて初代家元・勅使河原蒼風は「花はいけたら、人になる」という言葉を残しましたが、草月会館の空間全体がまさに人間中心の温もりと研ぎ澄まされた造形美を放っており、SNS時代のビジュアルカルチャーとも高い親和性を示しています。