2010年に二宮和也と柴咲コウの共演で社会現象を巻き起こした映画『大奥』に続き、その原点となる「誕生」のエピソードを連続ドラマ化したのが本作です。男子のみを襲う奇病「赤面疱瘡」の蔓延によって男子の人口が激減し、社会構造そのものが逆転した江戸初期のパラレルワールド。その過酷な幕開けを担ったのが、主演の堺雅人とヒロインを務めた多部未華子でした。
TBSが総力を結集した重厚な美術セットや時代考証、そして原作の持つ緻密な心理描写を徹底して再現した作風は、深夜枠に近い金曜ドラマ枠でありながら高い熱量で迎えられました。単なる奇抜な設定にとどまらず、人間の尊厳、性と生殖の重み、そして権力に翻弄される個人の孤独を浮き彫りにした脚本は、今振り返っても極めて先駆的でした。その激動のドラマにおいて、すべての感情の受け皿となったのが家光を演じた多部未華子です。