ここ数年、SpotifyやYouTubeを媒介にして加速した世界的なシティポップ・ブームは、チューリップの再評価にも直結している。海外のDJやリスナーたちが、70年代後半の日本のニューミュージックに漂う洗練されたアレンジと切ないコードワークを発掘するなかで、財津の作品群は「発見されるべき宝庫」として浮上した。
TikTokやSNSでは、昭和のレトロな映像とともに『サボテンの花』がBGMとして流れ、Z世代の若者が「言葉の意味は分からなくても胸がキュッとする」と投稿する光景も珍しくない。デジタルネイティブたちにとって、彼の音楽はノスタルジーを超えた「まったく新しいグローバル・クラシック」として鳴り響いているのだ。