中村獅童の真骨頂は、観客の度肝を抜く先駆的なチャレンジにあります。その象徴ともいえるのが、バーチャルシンガー・初音ミクとタッグを組んだ『超歌舞伎』です。2016年の初演以来、幕張メッセから京都・南座、そして歌舞伎座へと進出し、テクノロジーと古典芸能を融合させた圧巻のパフォーマンスで若年層や海外ファンを熱狂させました。
映像の世界でも、獅童の残してきた足跡は鮮烈です。数々の大河ドラマ出演作品において、強烈な個性を放つ武将や歴史上の重要人物を怪演してきました。『新選組!』の滝本捨助役、『いだてん〜東京オリムピック噺〜』の金栗実次役、そして『鎌倉殿の13人』で見せた梶原景時の冷徹さと内に秘めた情熱は、視聴者に強烈な爪痕を残しました。
「敷居が高い」と思われがちな歌舞伎のイメージを壊し、あらゆるエンターテインメントと自在に交差するその表現力は、唯一無二のポジションを築き上げています。