1980年代後半、フジテレビを中心とするトレンディドラマブームにおいて、三上博史はまさに時代の寵児となりました。『君の瞳をタイホする!』(1988年)や『愛しあってるかい!』(1989年)、『世界で一番君が好き!』(1990年)などで見せたスタイリッシュでコミカルな演技は、当時の若者文化を牽引するトレンドセッターそのものでした。
しかし、彼は単なる爽やかスターの枠に留まることを拒みます。1992年のドラマ『あなただけ見えない』では、心優しき青年と凶悪な人格、さらには女性人格を併せ持つ多重人格者を怪演。続く『この世の果て』(1994年)では、孤独と狂気に苛まれる天才ピアニスト役を鬼気迫るテンションで演じ切り、日本中を震撼させました。この鮮烈なシフトチェンジこそが、現在まで続く三上博史のドラマ代表作の数々を不朽の名作たらしめています。