空調設備産業を牽引するダイキン工業株式会社は、冷房時の空気循環について極めて緻密なシミュレーションを公開している。同社の知見によれば、冷気は床面を這うように広がる特性を持つため、最も重要なのは「床に溜まった冷気のプールをいかに壊すか」にある。エアコンから遠い対角線の壁際から、エアコンの吹き出し口へ向けて風を送る「対角配置」の方が、室内の空気を攪拌する効率が圧倒的に高いケースが多い。
一方で、手頃な価格帯と圧倒的な風量で市場を席巻するアイリスオーヤマ株式会社のサーキュレーター開発チームも、首振り機能の過信に警鐘を鳴らす。冷房時に上下左右の3Dランダム送風を常用すると、エアコンが作り出した規則的な気流循環を打ち消し、かえって室内に熱だまりを生んでしまう場合があるという。強い直進性を持つ風をどのベクトルで当てるか。ただ回すのではなく、部屋の形に応じた「風の通り道」を設計することが求められている。