北原沙弥香という表現者の原点を語る上で欠かせないのが、2004年に始まったハロプロエッグ(現・ハロプロ研修生)での活動です。同期や先輩たちと激しい選抜争いを繰り広げ、歌唱力とダンススキルを徹底的に叩き込まれた少女時代は、現在の強固なプロ精神を育む土台となりました。
大きな転機が訪れたのは2008年。大人気テレビアニメ『きらりん☆レボリューション』の雪野のえる役に大抜擢されたことでした。主人公・月島きらり役の久住小春、花咲こべに役の吉川友とともに結成されたユニット「MilkyWay」は、主題歌『アナタボシ』や『タンタンターン!』を大ヒットさせ、社会現象とも言えるブームを巻き起こしました。
当時のインタビューや特番で彼女は、「マイクの前でキャラクターの感情を背負って声を出す難しさと、ステージ上で自分自身として歌い踊る感覚の違い」に戸惑いながらも、演技という未知の世界に強い魅力を感じたと述懐しています。華やかなアイドルフェスと、静寂に包まれたアフレコブース。この二面性を10代半ばで体感した経験こそが、後の声優専業への決断を後押しすることになりました。