「体重計に乗ったら1キロも減っていなかった、むしろ微増していた。それなのに、会社の同僚から『3キロくらい痩せたでしょ?』と真顔で聞かれた」――こうした現象は、ピラティス愛好家の間では日常茶飯事です。なぜこのようなギャップが生じるのでしょうか。
その最大の理由は、「筋肉と脂肪の体積比」と「骨格のアライメント変化」にあります。筋肉の密度は約1.1g/cm³であり、脂肪(約0.9g/cm³)と比較して同じ重さでも体積が約18%小さくなります。ピラティスによってたるんでいた脂肪組織が引き締まった筋肉へと置き換わると、体重の総量が一定であっても、断面積は確実に狭まります。
さらに見逃せないのが、「胸郭(肋骨周辺)」の形状変化です。現代人の多くは浅い呼吸と猫背によって肋骨が外側に開き、胴回りが太く見えがちです。ピラティス特有の「胸式ラテラル呼吸」を繰り返しながら動くことで、呼吸筋である横隔膜と腹横筋が連動し、開いていた肋骨がキュッと内側へ閉じられます。アンダーバストからウエストにかけての「くびれ」が彫刻のように際立つのは、脂肪が消滅したからではなく、骨格のフレームが本来のコンパクトな位置に収まった結果なのです。