栄養学のデータを見れば、二つの豆が持つ特性のコントラストはより鮮明になる。文部科学省が公表している日本食品標準成分表の最新データを参照すると、両者の栄養プロファイルはまさに正反対と言っていい。
乾燥状態の大豆は、重量の約35パーセントがタンパク質、約20パーセントが脂質で占められている。炭水化物は約30パーセントに過ぎない。植物性食品としては異例の高タンパク・高脂質設計であり、コレステロールゼロの良質な脂質源として重宝される理由がここにある。さらに、女性ホルモン様物質として知られるイソフラボンや、脂質代謝に関与するレシチン、サポニンが豊富に含まれている点が大きな強みだ。
対照的に、小豆の脂質はわずか2パーセント前後に過ぎない。その代わり、乾燥重量の約60パーセントがでんぷんを中心とする炭水化物で構成され、タンパク質は約20パーセントにとどまる。小豆の真価は、その炭水化物の多くが難消化性デンプン(レジスタントスターチ)や食物繊維である点、そして種皮に凝縮された強力なアントシアニンをはじめとするポリフェノール類にある。赤紫色の色素成分アントシアニンは高い抗酸化力を誇り、酸化ストレスと戦う現代人の心強い味方となる。