「月」は小学校1年生漢字月として学習する基礎中の基礎ですが、画数が少ない文字ほど全体のプロポーションの歪みが目立ちやすいという特徴を持っています。美しく整った字形に仕上げるためには、感覚に頼るのではなく、空間配置の幾何学的なルールを理解することが近道です。
まず押さえるべきは、漢字の月の書き順と骨格の組み立て方です。基本的な月部首画数は「月(つき・つきへん)」で全4画。書き順は以下の通りです。
- 第1画:左側の縦払い(上部からまっすぐ下ろし、下部で左斜め方向へゆったりと払う)
- 第2画:横から縦へ折れ曲がり、最後に力強く上へハネる(横画はやや右上がりに引き、角をしっかり作ってからまっすぐ下ろす)
- 第3画:内部上段の短い横画(第1画と第2画の間に均等な余白を取る)
- 第4画:内部下段の短い横画(第3画と平行に引き、下の空間も均等に空ける)
プロの書道家が実践する月のバランスの取り方における核心は、全体の縦横比を「縦10に対して横7」のややスリムな長方形に収める点にあります。正方形の枠いっぱいに書いてしまうと、文字全体が平べったく鈍重な印象を与えてしまいます。
さらに決定的な月の美文字のコツとして、内部の空間を「3等分」にする意識が挙げられます。第3画・第4画の横画を入れる際、上下3つの白い空間の面積がまったく同じになるよう配置することで、文字に均整の取れたリズムと清潔感が生まれます。また、第1画の払いの終点よりも、第2画のハネの底面をわずかに低い位置(約1〜2ミリ程度下)に設定すると、右足でしっかりと大地を踏み締めたような抜群の安定感が宿ります。