ネット上の掲示板やSNS、映画・ドラマのレビューサイトに蓄積された膨大なコメントを精査すると、菅田将暉のドラマに対する視聴者の反応は、圧倒的な称賛と、作品の性質に起因するごく一部の戸惑いに二分されます。
まず圧倒的多数を占めるのは、「感情の解像度の高さ」に対する絶賛の声です。「泣くシーンで、ただ涙を流すのではなく、鼻の頭を赤くして呼吸を乱す生々しさに鳥肌が立った」「怒りの感情の中に、相手への情けなさと自分自身への絶望が同時に混ざっている」といった指摘が多く見られます。特に『コントが始まる』の第1話でラーメンをすすりながら涙をこぼすシーンや、『鎌倉殿の13人』で頼朝からの冷遇に純粋な瞳のまま困惑する表情など、記号的な芝居とは対極にある生理的なリアリティが視聴者の琴線を震わせています。
その一方で、ネット上には以下のような批判や違和感の声もゼロではありません。
- 「『3年A組』の説教シーンは熱量が強すぎて、観ているこちらの精神が削られてしまう」
- 「『ミステリと言う勿れ』の原作漫画の久能整よりも、菅田将暉本人の色気が少し前に出過ぎているのではないか」
- 「あまりに多くの作品に出演していた時期は、どの役も菅田将暉に見えてしまう瞬間があった」
こうした意見は、彼の表現が常に観客の感情に直接干渉する強いエネルギーを放っていることの裏返しでもあります。万人受けする無味無臭の演技ではなく、あえて観る側の倫理観や好みに揺さぶりをかけることこそが、菅田将暉という俳優の批評的価値と言えます。