オイル下がりの白煙はなぜ出る?オイル上がりとの違いと修理費用の真相

オイル下がりの白煙はなぜ出る?オイル上がりとの違いと修理費用の真相

オイル下がりの白煙はなぜ出る?オイル上がりとの違いと修理費用の真相について見逃せない 理由を分かりやすく解説いたします。

「1,000km走るごとにオイルゲージの目盛りがL(ロア)ラインを下回り、警告灯が点滅する」。SNSや知恵袋等の自動車コミュニティでは、愛車のオイル消費が激しい原因に頭を抱えるユーザーの悲痛な叫びが後を絶ちません。本来、正常な現代の国産エンジンであれば、5,000km〜10,000kmの交換サイクル内でゲージの規定範囲から外れるほどオイルが激減することは稀です。

では、オイル下がりによってオイルが燃焼室内へ消費され続ける状態を放置すると、車にはどのような破滅的結末が待っているのでしょうか。整備現場のデータが示すオイル下がり放置のリスクは、単に「オイルをつぎ足せば走り続けられる」という甘い認識を打ち砕きます。

第1の危機は、「点火プラグの重度なカーボン蓄積とミスファイア(失火)」です。ガソリンと一緒に燃焼したエンジンオイルは灰分となり、プラグの電極周辺に頑固なスラッジ・デポジットとして焼き付きます。これにより火花が正常に飛ばなくなり、アイドリングの激しい振動や加速不良が発生。最悪の場合は走行中にシリンダーが1発死んだ状態(不完全燃焼)に陥ります。

第2の危機は、排気経路の要である「三元触媒(触媒コンバーター)の破損と目詰まり」です。燃えたオイルに含まれるリンや硫黄などの添加剤成分、未燃焼カーボンは、排ガスを浄化する触媒のハニカム構造を容赦なく塞ぎます。触媒内部が異常過熱を起こして融解・破損した場合、触媒Assyの交換だけで15万〜25万円以上の追加出費が確定します。

さらに見過ごせないのが、車検合否と排気白煙を巡る法的な壁です。道路運送車両法に基づく保安基準第31条(ばい煙、悪臭のあるガス、有害なガス等の発散防止装置)では、著しい白煙の排出は車検不合格の対象と規定されています。検査場においてテスターで測定されるCO(一酸化炭素)やHC(炭化水素)の数値が基準値をオーバーするのはもちろんのこと、検査員の目視によって「周囲の視界を妨げるほどの白煙を吐いている」と判定されれば、その場で不合格の烙印を押されます。「来月車検だからそれまで様子を見よう」と放置した結果、想定外の重整備を宣告されて車検切れを迎えるオーナーは極めて多いのが実情です。

山本 拓海
著者

山本 拓海

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。