現在でも日本各地に八幡太郎ゆかりの神社が数多く鎮座し、地域の信仰と結びついています。現地を訪ね歩くと、義家がいかに東国の風土と精神世界に深い爪痕を残したかが実感できます。
代表的な拠点が、東京都杉並区に鎮座する大宮八幡宮です。前九年の役に赴く途上、この地に宿営した義家が戦勝を祈願し、奥州平定後の康平6年(1063年)に石清水八幡宮を勧請して創建したと伝わります。また、源頼朝が崇敬した鎌倉の鶴岡八幡宮も、もとは父・頼義と義家が由比郷に勧請した由比若宮(元八幡)が発祥です。
現地を歩く歴史愛好家や研究者の間では、「義家ゆかりの寺社を巡ると、中世の主要街道(奥大道や鎌倉街道の前身)と軍事要衝が見事に重なる」という指摘が定説となっています。SNSやオンラインコミュニティでも、「大宮八幡宮の清らかな空気に触れ、平安武士の祈りの切実さを感じた」「義家の矢立の杉を見上げると、千年前の軍馬の蹄音が聞こえるようだ」といった感銘の声が絶えません。彼が立ち寄った場所は単なる休憩地ではなく、軍勢の補給拠点であり、在地豪族との血盟を結ぶ政治的な舞台だったのです。