セルのキャラクターデザインと吸収描写には、原作者である鳥山明の溢れんばかりのこだわりが詰め込まれている。虫や爬虫類を思わせる有機的なシルエット、斑点模様の皮膚、そして獲物を捕食するための刺針状の尾。これらは従来の強敵たちの整ったデザインとは一線を画す、完全な「異形」として構築された。
鳥山氏自身が映画好きであったことは広く知られているが、セルの初期形態における不気味な挙動や、街の住人を一人ずつ消し去っていく静かな恐怖演出には、海外のSFホラーやSFモンスター映画への強いリスペクトが色濃く反映されている。単に力でねじ伏せるのではなく、生物的な生体エネルギーの摂取というプロセスを丹念に描くことで、視聴者に逃げ場のない心理的圧迫感を与えたのだ。