SNSのタイムラインで頻繁に見かける「ブリーチなしで叶うミルクティーベージュ」という広告コピー。この甘美な言葉に惹かれてオーダーした結果、ただの赤茶髪に仕上がり落胆した経験を持つ男性は少なくありません。毛髪化学の観点から言えば、日本人のバージン毛(地毛の黒髪)から一度のカラー剤塗布だけで淡いミルクティーベージュを作ることは科学的に不可能です。
日本人の髪は「ユウメラニン」と呼ばれる赤褐色系の色素が非常に豊富に含まれています。ヘアカラーでミルクティーのような乳白色とくすみ感を表現するためには、この赤味を完全に削り落とし、髪の明るさを16〜18レベル(ペールイエロー)までリフトアップさせる必要があります。しかし、ブリーチを含まない通常のアルカリカラー剤が持つ脱色限界はせいぜい12〜13レベル程度。そのため、赤味とオレンジ味が髪の内部に強く残り、結果として「明るめのブラウン」にしかなり得ません。
ネット上で「ブリーチなし」として紹介されている成功事例の実態は、以下のいずれかのケースに限定されます。
- 過去にブリーチ履歴がある:ベースがすでに明るい状態の髪に、ブリーチを使わずオンカラーのみを重ねているケース。
- ブリーチなしダブルカラー:14レベルのライトナー(極限まで明るくする脱色剤)で一度ベースを極限まで明るく脱色した上で、2回目の施術で色味を乗せる手法。
- ミルクティーベージュ メンズ 暗めの仕上がり:室内では落ち着いたブラウンに見え、自然光に透かすとほのかに柔らかさが出る8〜10レベルの設計。
もしあなたが完全な地毛からスタートし、透き通るような白み・まろやかさを求めているなら、迷わずブリーチを選択するのが現実的かつ唯一の正攻法です。無理にブリーチなしを強行して暗めの中途半端な茶髪になるリスクを正しく理解しておく必要があります。