都市社会学において、家でも職場でもない居場所を指す「サードプレイス」の重要性が説かれて久しいですが、ブックファースト新宿店は単なる商業施設を超え、知的サードプレイスとしての役割を確立しています。
インターネットのアルゴリズムによる推薦は、利用者の過去の購買履歴や検索傾向に過剰適合し、いわゆる「フィルターバブル」を生み出しがちです。これに対し、約90万冊の知が体系的に並べられた同店の書棚を歩く行為は、空間心理学的に見ても「視覚的広がりによる思考の拡張」と「無意識の関心領域への刺激」をもたらします。目的の本の隣に並ぶ未知の著作に手が伸びる体験こそが、リアル書店の本質的価値です。
これらを踏まえ、編集部が導き出した「同店を最大限に活用できる人」と「他を検討すべき人」の判断基準は以下の通りです。
同店をおすすめできる人
- 西口エリアを生活動線に持つビジネスパーソン・学生:通勤・通学の行き帰りに、雨に濡れずに夜22時まで落ち着いた環境で本を探したい人。
- 人文・理工・医学・建築などの専門分野を横断的に探索したい人:B2Fの棚の厚みは圧巻であり、専門書を複数比較しながら選定したい人には最適の環境です。
- 多層階の移動にストレスを感じる人:エレベーターを何往復もすることなく、広々とした2フロアを平面的に回遊して効率的に本を見つけたい人。
利用に際して慎重になるべき人
- 圧倒的な古書や希少本、歴史的資料を求める人:新刊書店であるため、神保町の古書店街のような絶版本の探索には向きません。
- 未購入の雑誌やコミックをカフェで試し読みしながら長時間過ごしたい人:未会計本のカフェ持ち込みを前提とした利用スタイルを求めている場合は、蔦屋書店などのブック&カフェ業態を検討するのが無難です。
- 広大な空間を歩くこと自体が苦手な人:ワンフロアが非常に広いため、ピンポイントで1冊だけを買い急いでいる場合は、駅構内の小型キオスク書店のほうが短時間で用を足せるケースがあります。