インターネット上で「エルグランドの生産終了」が既定路線のように語られるようになった最大の契機は、全国の日産ディーラーで順次発生した現行モデル(E52型)のオーダーストップ(受注停止)です。販売現場では新規の工場発注が締め切られ、流通在庫のみの対応となったことで、「このままカタログ落ちして歴史に幕を閉じるのではないか」という憶測が一気に拡散しました。
しかし、日産自動車の公式発表資料や販売会社幹部への取材を総合すると、この受注停止はブランドの廃止を意味するものではありません。自動車業界では、法規対応(後退時車両直後確認装置の義務化やサイバーセキュリティ法規の強化)に伴い、旧型プラットフォームのまま継続生産することがコスト面・技術面で困難になるケースが多発しています。現行E52型エルグランドもまた、厳格化する最新法規への適合限界と、次期型フルモデルチェンジに向けた生産ラインの再編という2つの要因が重なり、現行型の生産終了に踏み切ったというのが実態です。
日産経営陣はプレステージミニバンの象徴であるエルグランドの重要性を公の場でも言及しており、日産エルグランド公式発表の文脈においても、国内フラッグシップとしての系譜を途絶えさせる意思はないことが明確に示されています。