『失楽園』の流行は、単なる一作品のヒットにとどまらず、社会現象としての「失楽園ブーム」へと発展した。原作を世に送り出した講談社の出版戦略と、過激なテーマをゴールデンタイムのテレビドラマとして昇華させた日本テレビの制作陣の英断が、見事に噛み合った結果である。
流行語大賞を受賞するほどに浸透した「失楽園」という言葉は、中高年の恋愛観やライフスタイルにまで波及した。ワインブームの火付け役ともなった川島なお美のエレガントな佇まいは、当時の女性たちにとって憧れの象徴となり、メディア空間全体を巻き込んだ巨大なうねりを形成したのだ。