ロサンゼルスのストリート史を語る上で避けて通れないのが、1970年代から激しい抗争を続けてきた二大ギャング、「クリップス」(Crips)と「ブラッズ」(Bloods)の存在だ。彼らは自らの領域を示すカラー(クリップスは青、ブラッズは赤)だけでなく、手で自組織の頭文字を形作る独自のハンドサインを発達させてきた。
例えば、アルファベットの「C」を手で作るクリップスのサインや、複雑に指を交差させて「B」を描くブラッズのサインは、単なるアイデンティティの主張にとどまらない。ロサンゼルス市警察(LAPD)の犯罪データベースにおいても、これらのジェスチャーはギャング加入の直接的な証拠として記録される。街頭で敵対組織のサインを逆さまに掲げる行為は「敵対者への冒涜」を意味し、一瞬で銃撃戦へ発展する動機となり得る。