かつて大規模百貨店のエントランスといえば「回転ドア」が主流の時代がありました。新宿伊勢丹においても、外気の流入を防いで館内の空調効率を保ち、新宿特有のビル風による強風の吹き込みを遮断する目的で回転ドアが重用されてきた歴史的経緯が存在します。
時代の変化とともに、車椅子での利用や大量の来客のスムーズな誘導、さらには安全面への配慮から、現在の正面エントランスは大型の開き扉やスライド式ドアを併用したレイアウトへと進化を遂げました。歴史的な風情を残しながらも、ユニバーサルデザインを取り入れた現代的な安全基準へ柔軟に適応させている点も、伊勢丹の建築設計における見事な工夫です。