極小店舗が集まる横丁文化には、心地よい空間を全員で共有するためのマナーが存在します。知らずに訪れて気まずい思いをしないよう、実践的なルールを整理しました。
第一に知るべきは「串の扱い」です。おでんはすべて串に刺さっており、最後のお会計はこの串の本数と種類(色分けや長さ)を数えて精算します。そのため、食べ終わった串は決して捨てたり折ったりせず、手元のコップや串入れに立てておく必要があります。
第二に注文の作法です。鍋の前の特等席に座った場合でも、勝手に自分の箸をおでん鍋に入れて具材を取ってはいけません。必ず店主に「大根と黒はんぺんをお願いします」と口頭で伝え、店主に皿へ盛ってもらうのが礼儀です。一部の店舗で「自分で取っていいよ」と声をかけられた場合のみ、備え付けのトング等を使います。
第三に営業時間と昼飲みの実態です。横丁内の店舗の大半は16:30〜17:00頃に開店し、23:00前後に閉店します。昼飲みを希望する場合、青葉横丁・青葉おでん街の店舗はほぼ夕方からの営業となるため注意が必要です。昼から静岡おでんを楽しみたい場合は、静岡駅高架下や駅ビルの専門店、あるいは老舗駄菓子屋系のおでん店(葵区宮ケ崎町方面など)を利用するのが確実です。
第四に予約と滞在時間です。横丁の多くの店舗はカウンター数席のみで営業しているため、原則として事前予約を受け付けていません(一部の店舗で平日早い時間のみ受ける例を除く)。満席の場合は外で待つか、空いている別の店を探します。また、待っている客がいる状況での長時間の居座りはマナー違反とみなされます。「お酒2杯、おでん4〜5本」を目安に、30分〜1時間程度でサッと切り上げて次へ席を譲るのが、横丁における最大の粋です。