都内のグルメシーンを揺るがす最前線の名店は、静かな路地裏やビルの一角にその姿をひそめている。かつて京都の『祇園 さゝ木』や『菊乃井』の村田吉弘氏らが築き上げた京料理の金字塔は、いま東京の地に力強く移植され、独自の進化を遂げた。ミシュランガイドで星を獲得し続ける名店から、一筋縄ではいかない看板のない隠れ家まで、食通たちがこぞって予約を競い合う。
2026年、ネット予約のプラットフォームである食べログや一休.comのデータを紐解くと、鱧料理を提供するコースの予約率は初夏から秋口にかけて跳ね上がる。日本料理・割烹業界において、良質な鱧の仕入れルートを確保することは、そのまま店の格を証明することと同義だ。高級外食産業の中でも、特にカウンター越しに職人の手さばきを愉しむスタイルが圧倒的な支持を集めている。