天然の羊毛皮をなめし、内側の毛密度と外側のスエード面を活かした防寒素材「ムートン」は、衣料品からインテリア、寝具に至るまで幅広い分野で活用されています。国内アパレル流通統計および貿易データの分析によると、2024年から2026年にかけてのムートン関連製品の国内流通量は前年比約114%の伸びを記録しており、明確な需要回復トレンドを描いています。
この需要増を牽引しているのが、2000年代初頭のスタイルを現代的に再構築した「Y2K・Y3K」トレンドの定着です。かつて一世を風靡した膝下丈のクラシックブーツではなく、ソール高が4cm〜5.5cmに達する厚底仕様のウルトラミニ丈ブーツや、オーバーサイズのフライトジャケット「B-3」を短丈にアレンジしたアウターが、冬のストリートを席巻しています。
さらに、サステナビリティへの意識が高まるなか、毛皮採取のみを目的にしない「食肉用副産物」としての羊革トレーサビリティ(生産履歴追跡)の開示が進んだ点も2026年の大きな特徴です。欧州を中心とした厳格な環境規制に対応し、水の使用量を従来比40%削減した鞣し(なめし)技術を採用した製品が、環境負荷に敏感な消費者の支持を集めています。