初めて訪れる旅行者が最も緊張するのが、さか枝うどん注文方法と独特のローカルルールです。暖簾をくぐると店員さんの威勢の良い声が飛び交い、常連客が流れるような無駄のない動作で丼を手にしていきます。あらかじめ流れを頭に入れておけば、気後れすることなく本場の空気を楽しめます。
入店から実食までのプロセスは、以下の5つのステップで進行します。
ステップ1:注文口で「玉数」と「温・冷」を告げる
厨房のカウンターに立ち、店員さんに希望を伝えます。基本は「小(1玉)」「中(2玉)」「大(3玉)」のサイズ指定です。出汁を自分でかける定番のかけうどんを頼む場合は「小をそのまま(冷たい麺)」または「小(温める麺)」と注文します。夏季に人気のぶっかけや冷やしうどんもここで指定します。
ステップ2:丼を受け取り、テボ(湯切りザル)で麺を湯がく
茹で置きの麺が入った丼を受け取ったら、カウンター横の湯気立つ湯沸かし器へ移動します。丼の中の麺をステンレス製のテボに移し、熱湯の中に沈めます。温める時間は「1秒〜3秒程度」が鉄則。温めすぎると讃岐うどん本来のコシが損なわれるため、さっと湯通しして湯切りするのが通のさか枝うどんセルフ作法です。冷たい麺で食べたい場合は、この工程を飛ばしてそのまま出汁のコーナーへ進みます。
ステップ3:名物「さか枝うどんだし蛇口」から出汁を注ぐ
湯切りした麺を丼に戻したら、横に鎮座する大型の保温タンクに向かいます。銀色のタンク下部に設置されたコック(蛇口)を手前にひねると、熱々で芳醇な香りのいりこ出汁が勢いよく流れ出します。丼の7〜8分目を目安に出汁を注ぎ、コックをしっかり戻します。この体験こそ、全国のファンが虜になる瞬間です。
ステップ4:壮観な天ぷらレーンでトッピングを選ぶ
続いて、ずらりと並ぶさか枝うどんメニューの華、天ぷらコーナーへ進みます。ちくわ天、半熟卵天、ゲソ天、野菜かき揚げ、そして香川特有の金時豆天など、約60種類にも及ぶ揚げ物が山積みされています。トングで好みの品を直接うどんの上に乗せるか、小皿に取ります。脇に用意された刻みネギ、おろし生姜、天かすもセルフサービスで適量を盛り付けます。
ステップ5:レジで会計を済ませて着席
最後にレジでうどんの玉数と天ぷらの個数を自己申告または確認してもらい、代金を支払います。空いている席を見つけて着席し、一気に啜りましょう。食べ終えた食器は返却口へ戻すのがマナーです。