鎌田樹音を語る上で避けて通れないのが、その特異なルーツです。母は1970年代に『私は泣いています』で社会現象的なミリオンヒットを記録し、その後は名バイプレイヤーとして数多くの名作映画やドラマに出演したりりぃ(本名:鎌田小恵子)さんです。そして実父は、沖縄出身で卓越した腕前を持つロックギタリスト・糸数元治氏。まさに日本のロックと歌謡界のエッセンスがその血肉に注ぎ込まれていました。
りりぃさんはシングルマザーとして樹音を育て上げる過程で、決して息子の自由を縛ることはありませんでした。当時のテレビ番組特番やインタビュー記録によると、母は幼い樹音に対して「勉強しなさい」と口うるさく指図することは一切なく、彼がギターに没頭し始めた際には、深夜であってもアンプを鳴らすことを許容したといいます。「表現者としての個性を何よりも尊ぶ」という家庭方針が、鎌田樹音の型破りなプレイスタイルを育む土台となりました。
また、ネット上では家族関係について「兄弟はいるのか」という疑問も散見されます。彼には鎌田玲央納(レオナ)という弟がおり、兄弟仲も極めて良好であることが知られています。2016年11月、りりぃさんが肺がんのため64歳で急逝した際、樹音は母の最期を看取った後、公式の場で「母の魂は僕たちの音楽の中に生き続ける」と気丈にコメントを発表。深い哀悼の念とともに、家族への惜しみない愛情を表現した姿勢は多くの音楽関係者の胸を打ちました。