10円玉の「遠縁」がどうしても気になってしまう参拝者の間で定着しているのが、お賽銭 硬貨の組み合わせを工夫するアプローチです。10円玉1枚を避け、5円玉2枚と1円玉の計3枚で11円を納めるという方法が広く支持されています。
5円玉は中央に穴が開いていることから「見通しが良い」とされ、表面の稲穂は農業、水面は水産業、歯車は工業を表す産業繁栄のシンボルと解釈されてきました。5円玉を2枚重ねることで「重ね重ねご縁があるように」「二重にご縁があるように」という意味を帯びさせ、そこに1円玉の「1=いい」を足すことで、心理的な安心感を得ようとする工夫です。
しかし、都内神社の神職は取材に対し、次のように冷静な実態を明かしています。「硬貨の素材や額面によって神様のご加護に差が生じることは信仰上あり得ません。10円玉は青銅製、5円玉は黄銅製ですが、素材そのものに清濁はなく、神様が硬貨の額面や言葉遊びで参拝者を差別することは決してありません」。硬貨の組み合わせに神経質になりすぎるあまり、肝心の参拝作法がおろそかになっては本末転倒と言えます。