交代時期が近づくたびにインターネット掲示板やSNSで頻出するのが、「ペアを組むお姉さん・お兄さんとの不仲による途中降板」や「局上層部との対立による電撃解雇」という根も葉もない噂です。しかし、実際の制作現場を取材・観察すると、これらの言説が完全な虚構であることが分かります。
「1年前内定・密着引き継ぎ」という鉄則
NHKの教育番組において、出演者の交代は決して突発的な衝動やトラブルで決まるものではありません。制作統括を含む現場チームは、最低でも交代の1年以上前から後任のオーディションを行い、半年前には内定者を確定させています。
内定した新メンバーは、現行メンバーの収録現場に見学に入り、歌唱・身体表現・子どもたちへの目線誘導や安全確保のノウハウを数か月にわたって徹底的に叩き込まれます。卒業するキャスト自身がメンターとなり、手塩にかけて後任を育てるシステムが定着しているため、現場には確執が生まれる余地などなく、むしろ戦友としての強固な連帯感が築かれます。
「卒業記念ソング」に隠された温かな連帯
卒業発表後の3月末に放送される「交代のあいさつ」シーンを振り返ると、歴代の誰もが新メンバーの手を優しく握り、視聴者の子どもたちへ「これからは〇〇お兄さん、お姉さんをよろしくね!」と心からのエールを送っています。これは演出された台本上の演技にとどまらず、重圧を背負う後輩を案じる本物のプロ意識から溢れ出るものです。