日本国内の学術論文データベースJ-STAGEを紐解くと、マッサージや整体施術を契機に発症した肺動脈塞栓症の症例報告が複数見つかる。無資格者による強圧施術のみならず、家庭用の強力なエアマッサージャーや電動ローラーを使用した直後に急変し、救急搬送されたケースも詳細に記録されている。
公益財団法人日本医療機能評価機構が発信する医療安全情報でも、下肢の血栓保有者に対する理学療法やマッサージの危険性について度々注意喚起がなされてきた。医療機関の内部ですら、術後の患者に対する不用意なマッサージによって肺塞栓を誘発したヒヤリ・ハット事例が存在する。ましてや、医学的問診が行われない民間の店舗や家庭内であれば、そのリスクは数倍に跳ね上がる。
消費者庁の事故情報データバンクにも、リラクゼーション店舗での施術後に体調が悪化し、呼吸困難や入院加療に至った事例が少なからず寄せられている。「痛気持ちいい」という感覚を過信し、体内の危険信号を無視した強もみが悲劇を呼んでいるのだ。