リポビタンDが世に誕生したのは1962年(昭和37年)のことです。当時、注射薬が主流だったアミノ酸製剤「リポビタン」を「手軽に美味しく飲めるアンプル容器のドリンク剤にできないか」という現場の試行錯誤から開発がスタートしました。高度経済成長期の幕開けとともに、過密労働に立ち向かう人々の滋養強壮を支える存在として爆発的なヒットを記録します。
初期のキャッチコピーは「ファイトをで行こう」でした。巨人の王貞治選手を起用した爽やかなスポーツ路線を展開していましたが、オイルショックを経て日本経済が転換期を迎えた1977年、より力強く人間味あふれるメッセージとして打ち出されたのが「ファイト一発!」の原点です。
「一人が危機に陥り、もう一人が手を差し伸べて危機を脱する」という普遍的なドラマ構造は、当時の製薬業界・広告界に鮮烈な衝撃を与えました。大正製薬の社内史によれば、単に商品を売るだけでなく「逆境に立ち向かうすべての人へのエール」を体現することが、このCMコンセプトの核となっていました。