ロナウジーニョというフットボーラーの価値を語るうえで、2003年夏に加入したFCバルセロナでの5年間は外せません。当時、タイトルから遠ざかり混迷期にあった名門バルセロナは、パリ・サンジェルマンから獲得した彼に背番号10を託しました。
卓越したボールコントロール、ノールックパス、そして常に見せる満面の笑みは、カンプ・ノウの空気を一変させました。2004-05シーズンと2005-06シーズンのラ・リーガ連覇、さらに2006年のUEFAチャンピオンズリーグ優勝を果たし、2005年には世界最優秀選手賞であるバロンドールを受賞。ロナウジーニョの10番は、世界中の子どもたちが憧れるアイコンとなったのです。
そして、このバルサ時代における最大のドラマが、若きリオネル・メッシへの「10番の継承」でした。デビュー当初のメッシを弟のように可愛がり、最初のアシストを供給したのもロナウジーニョでした。2008年に自身がバルセロナを退団する際、ロナウジーニョは次のようにメッシへ言葉を残したと伝えられています。
「俺が去った後、この10番を着けるのはお前しかいない」
当時19番をつけていたメッシは、偉大な先輩からの信頼を受け止め、翌シーズンから10番を背負いました。バルセロナの歴史において、この背番号のバトンタッチは、フットボール史上最も美しく成功した世代交代のひとつとして今も語り継がれています。