渡辺麻友のグラビア史を語る上で避けて通れない金字塔が、2016年10月に講談社から刊行された2ndソロ写真集『知らないうちに』です。撮影を担当したのは、数々のトップ女優を撮り下ろしてきた名匠・中村和孝氏。ロサンゼルスを舞台に敢行されたロケでは、それまでの少女然としたパブリックイメージを覆し、大人の女性への脱皮を感じさせるスタイリッシュなビキニやランジェリー姿が収められました。
発売直後に世間を震撼させたのが、ファンの間で「プリン尻」と称賛された大胆なヒップカットでした。当時の特番インタビューにおいて、彼女は「今までの殻を破り、22歳のありのままの自分を表現したかった」と述懐しています。自身のアイデンティティであった完璧なアイドル像を自らの手で解体し、一人の表現者として勝負に出た瞬間でした。
写真集『知らないうちに』は、オリコン週間写真集ランキングで首位を獲得しただけでなく、女性ファッション誌がこぞってそのプロポーションと透明感を特集するなど、男性ファンのみならず同性層にも大きなインパクトを与えました。「品格を失わずに成熟を示す」という、アイドルグラビアにおける極めて難度の高いミッションを完遂した証左と言えます。