パンの香ばしさを受け止めるのは、店主であるソムリエが厳選したナチュラルワイン(自然派ワイン)たちだ。セラーに並ぶボトルは、フランスやイタリアはもちろん、中央ヨーロッパや国産の小規模生産者まで多岐にわたる。
「酸化防止剤を極力使わず、ブドウ本来の生命力を宿したワインは、野生酵母で仕込むパンと根底で通じ合っています」とソムリエは微笑む。オレンジワインの持つ心地よい渋みがカンパーニュの酸を包み込み、瑞々しい薄赤ワインがジビエのパテの脂を軽やかに流す。計算され尽くしたグラス選びと温度管理が、口の中で二重奏を奏でていく。