冨田さんが個人で音楽活動を行っていた背景もあり、大手プロダクションに所属しないインディーズアーティストや小規模ライブハウスにおける安全管理の問題も浮き彫りになった。ファンとの距離の近さが魅力とされる反面、アーティスト個人が防犯対策の負担を直接背負わされるリスクが長年放置されていたためだ。
10年が経過した現在、地下アイドルやフリーのパフォーマーが利用する会場では、手荷物検査の導入や防犯カメラの増設、身元確認の厳格化が一般的になりつつある。しかし、個人で活動するアーティストが独力で悪質な追っかけ行為や過剰な接触を防ぐことには限界があり、運営側や会場組織、法執行機関が連携した包括的な防犯ネットワークの構築が今なお模索されている。