夜叉丸というキャラクターを語る上で欠かせないのが、連載当時からネットコミュニティを中心に巻き起こった「性別」にまつわる議論です。中性的な整った顔立ち、柔らかな物腰、そして我愛羅を包み込むような母性的な包容力から、初見の読者や視聴者の間で「女性ではないか」という誤認が多発しました。
しかし、公式設定資料集『臨の書』『闘の書』をはじめとする公式データベースにおいて、夜叉丸 性別 男性であることが明確に規定されています。我愛羅の母である加流羅の実弟であり、立場としては「叔父(おじ)」にあたります。加流羅と夜叉丸の関係は非常に親密な姉弟であり、姉を深く尊敬していたからこそ、彼女の命と引き換えに生まれた我愛羅に対して、人一倍の慈愛と複雑な情愛を抱いていました。
また、アニメ版において夜叉丸の声を担当したのは、実力派声優の夜叉丸 声優 保志総一朗氏です。保志氏の透明感あふれる穏やかなトーンは、我愛羅に「心の傷と愛」について説く慈悲深い保護者としての側面を見事に表現していました。だからこそ、襲撃時の冷酷な台詞回しや自爆直前の狂気じみた叫びとの落差が凄まじく、視聴者の耳朶に焼き付く名演となったのです。男性声優が演じる中性的な響きが、夜叉丸という人物の脆さと悲壮感を極限まで引き立てていました。