浅草を訪れた人の多くが驚くのが、浅草文化観光センターの展望台料金が「完全無料」である点です。民間施設であれば1,000円〜2,000円前後の入場料が設定されても不思議ではない東京の一等地において、なぜ誰でも自由に8階展望フロアへアクセスできるのでしょうか。
その最大の理由は、同施設が東京都台東区が直営・管理する公の観光案内施設だからです。単なる収益施設ではなく、「訪れる人を温かく迎え、浅草・台東区全体の歴史と文化を案内して街へ送り出す起点」という公共目的のために税金で整備・運営されています。2012年春のリニューアル以降、街全体の回遊性を高めるランドマークとして確固たる地位を築いてきました。
建築面でも世界的な評価を得ています。日本を代表する建築家・隈研吾氏が手掛けた建築設計は、伝統的な平屋の日本家屋を7〜8棟積み重ねたような「積層構造」が特徴です。各フロアの屋根と床の間に設備空間を巧みに隠しつつ、外部には天然木(杉材)の縦格子パネルを配置。浅草の伝統的な町並みと現代的なデザインが見事に融合した空間は、建築ファンにとっても必見のカルチャースポットとなっています。