逆境の渦中にあった風吹ジュンに転機をもたらしたのは、1979年の映画『蘇える金狼』での松田優作との共演でした。劇中で見せた体当たりの熱演と鮮烈な存在感は映画関係者の度肝を抜き、アイドルタレントから本格女優への脱皮を決定づけます。
その後も1980年代から90年代にかけて数多くの映画や名作ドラマに出演。1991年の映画『無能の人』では日本アカデミー賞最優秀助演女優賞やブルーリボン賞助演女優賞など、名だたる映画賞を総なめにし、名実ともに日本を代表する演技派女優としての地位を確立しました。
波乱万丈な半生を経験したからこそ表現できる人間の弱さや温もり、生活感のにじむ演技は、多くの名監督や脚本家から熱烈な信頼を寄せられるようになっていったのです。