世帯視聴率が高ければ、必ずしも後世まで愛される人気ヒロインになるとは限りません。大手メディアや民間の意識調査で実施される歴代朝ドラヒロイン人気ランキングを精査すると、視聴率と満足度の「ねじれ現象」が如実に現れます。
代表的な例が、2013年前期の『あまちゃん』(能年玲奈/現・のん)です。期間平均視聴率は20.6%と歴代トップ10には入りませんが、「じぇじぇじぇ」の流行語大賞受賞、クドカン脚本の緻密な伏線回収、劇中歌のヒットなど、カルチャーとしての熱量は歴代屈指でした。
さらに顕著なのが、2007年後期の『ちりとてちん』(貫地谷しほり)です。期間平均は15.9%と当時の歴代ワーストクラスに沈みましたが、落語をモチーフにした完璧なプロット構成は放送終了後に凄まじい再評価を呼び、現在でも「朝ドラ史上最高傑作」と推す熱狂的なファンを多数抱えています。視聴率という単一のモノサシでは測りきれない作品強度が、朝ドラの奥深い魅力です。