欧米のカフェを訪れると、朝の時間帯にはマフィンがコーヒーとともに飛ぶように売れ、午後になるとティータイムの主役としてカップケーキが選ばれる光景を目にします。この生活習慣の違いには、文化的・栄養的な背景が存在します。
アメリカにおけるマフィンは、手早くエネルギーを補給するための「朝食の主食」としての役割を担ってきました。甘さを抑えた生地に全粒粉やオーツ麦、バナナ、ナッツを加えたり、ベーコンやチーズ、ほうれん草を焼き込んだ「セイボリー(食事系)マフィン」が定番化しているのもそのためです。腹持ちの良さと手軽さが朝の忙しいライフスタイルに合致しています。
これに対し、カップケーキは18世紀末から19世紀初頭のアメリカで、大型のホールケーキを焼く手間を省き、ティーカップ等の小さな陶器で個食用に焼き上げたのが起源とされています。砂糖とバターをふんだんに使い、見た目の贅沢さを楽しむ「純粋なデザート・おもてなしの菓子」として発展した歴史があるため、午後のおやつやパーティーシーンに欠かせない存在となっています。