観光情報誌には大きく載らないものの、知る人ぞ知る名所が点在しているのも道後の奥深さです。本館周辺の賑わいから石段を少し上がった高台に位置する湯神社はパワースポットとして密かな注目を集めています。歴代の湯守神として信仰され、地震で温泉が止まった際に祈祷で湯を復活させたという伝説から「開運・厄除け・縁結び」の御利益があるとされています。境内からは道後温泉本館の屋根(振鷺閣)を見下ろす絶好の展望台となっており、人混みを避けて記念撮影を行いたい愛好家の隠れ家です。
さらに、温泉街の北側に位置する「道後公園(湯築城跡)」も外せない道後温泉の穴場スポットです。中世伊予の豪族・河野氏の城跡であり、美しい堀と土塁が良好な状態で残されています。展望台からは松山城や松山平野を一望でき、春には桜、秋には紅葉の名所として地元住民の憩いの場となっています。温泉街の喧騒から徒歩数分で静寂に包まれるこのコントラストこそ、道後という土地が持つ重層的な魅力の表れです。