競技の土台を支える選手登録システム「JPIN」は、長年にわたりインターフェースの使いにくさや更新手続きの煩雑さが指摘されていました。これに対し、システムインフラの大規模な刷新が行われ、スマートフォンに最適化された直感的な大会エントリーシステムへと改修されました。ポイント計算の即時反映やドロー表のペーパーレス化が進んだことで、選手や保護者の利便性は飛躍的に向上しています。
同時に進められたのが、日本テニス協会公認指導者資格の制度改定です。従来の技術指導偏重から、子どものメンタルヘルスケアやアンチ・ドーピング教育、体罰・ハラスメントを根絶する「セーフガーディング」の概念がカリキュラムの中心に据えられました。定期的な更新講習を受けなければ資格が失効する厳格なルールが適用されており、現場指導者の意識改革を促しています。
さらに、ジュニア育成方針にも根本的なパラダイムシフトが起きています。かつての「早期専門化」による燃え尽き症候群やオーバーワークによる故障を防ぐため、成長期の骨格や運動能力に合わせたマルチスポーツ体験の推奨や、低年齢層におけるプレイ&ステイ(Play+Stay)の普及が一段と強化されました。世界基準を見据え、味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)を拠点としたエリート育成プログラムと、地域クラブでのグラスルーツ活動の有機的な連動が図られています。