ファンならずとも息をのむのが、サンリオの歴代デザイナーたちが手掛けた肉筆の原画とアイデアスケッチの数々だ。ハローキティには「口がない」という有名な特徴があるが、それがどのようにして多様な感情を受け止めるデザインへと結実したのか、その制作秘話が手書きのメモとともに明かされている。
口を描かないことで、見る人の気持ち(嬉しい時、悲しい時)に寄り添う鏡のような存在になる――。デザイナーたちの緻密な計算と、時代の空気を汲み取る圧倒的な感性に触れることで、キャラクターデザインという領域を超えた「芸術的アイデンティティ」の深さに気づかされるはずだ。