大阪における地下空間の発展を語る上で欠かせないのが、なんば地下街の歴史です。1957年(昭和32年)12月、大阪市内で初となる本格的な地下街「ナンバ地下センター」として産声を上げました。当時の開業を伝える記録資料やナンバ地下センターの昔の写真を紐解くと、薄暗い地上から一転して明るい蛍光灯が並び、モダンなショーウインドウが立ち並ぶ光景に多くの市民が熱狂した様子が記録されています。
その後、1982年(昭和57年)の開業25周年を機に親しみやすさを前面に打ち出した「なんなんタウン」へと愛称を変更。半世紀近くにわたり大阪市民の日常に溶け込んできましたが、2006年(平成18年)に再び大きな転換点を迎えます。それが現在の「NAMBAなんなん」への改名と全面的な難波地下街のリニューアルでした。
なんなんタウンの改名理由について、運営母体である大阪地下街株式会社の公式資料や当時の都市開発計画では、単なる老朽化対策にとどまらない明確なブランディング戦略が示されています。平成以降の難波エリア再開発に伴い、旧来の昭和レトロなイメージから脱却し、「食・装・美」を軸にした明確なゾーニングを実施すること、そして国内外の幅広い来街者に対して現代的で洗練された商業空間を提示することが目的でした。アルファベット表記を交えた「NAMBAなんなん」という名称は、ミナミの国際化と都市型ライフスタイルの変化に適応するための必然的なアップデートだったといえます。