日本の情報空間において、「知の生産」を象徴する巨星といえば立花隆氏だ。圧倒的な量の文献を走破し、関係者への徹底取材を重ねて社会の深部を暴き出した立花氏の手法は、まさに情報生産者の原点と言える。その情熱と緻密な調査設計は、時代が変わっても色あせることはない。
一方で、デジタルメディア業界の第一線で発信を続けるジャーナリストの佐々木俊尚氏は、ネット時代の情報生態系に応じたキュレーションと文脈定義の重要性を提唱してきた。膨大な情報が流れる分散型メディアのなかで、どの情報をつなぎ合わせ、どのような意味を与えるか。立花氏が示した「徹底的な掘り下げ」と、佐々木氏が示す「構造化と視点の提示」。この両輪を併せ持つことこそが、現代のジャーナリズムおよび個人発信において不可欠なアプローチとなっている。