ネット上のQ&AサイトやSNSでは、「洋装ならハーフアップでも完全に問題ない」「留袖と違って洋装は髪型に厳格なルールはない」といった言説が散見されます。しかし、これを鵜呑みにすると、会場の格式や相手方親族とのバランスにおいて気まずい思いをすることになりかねません。
ブライダル業界の現場取材で見えてきた最大の盲点は、「両家の母親同士の格式バランス」です。新郎側の母親が最高格式の五つ紋付き黒留袖をお召しになり、髪型も端正な夜会巻きで整えているのに対し、新婦側の母親がカジュアル寄りのダウンスタイルやハーフアップで現れた場合、両家が並んだ親族集合写真で明確なアンバランスが生じてしまいます。
洋装を選ぶこと自体は現代のウェディングにおいて何ら問題ありませんが、「格」においては和装と同等の品位を保つ必要があります。相手方の母親が和装なのか洋装なのか、事前に新郎新婦を通じて確認し、お互いのフォーマル度を擦り合わせておくことが真の大人の気配りです。