Misia『逢いたくていま』が涙を誘う理由と知覧に秘められた誕生秘話

Misia『逢いたくていま』が涙を誘う理由と知覧に秘められた誕生秘話

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大沢たかおが主演を務めた日曜劇場『JIN-仁-』は、現代の脳外科医が幕末の江戸へタイムスリップし、満足な医療器具もない中で人々の命を救う壮大なヒューマンドラマでした。この作品の主題歌制作を依頼されたMISIAは、プロデューサー陣から「時空を超えて愛する人に逢いたいと願う、究極のバラードを作ってほしい」という強い要望を受け取ります。

しかし、単に「会えない切なさ」を頭の中で想像して歌詞を書くことに対し、MISIAは強い葛藤を抱きました。そこで彼女が向かったのが、太平洋戦争末期に陸軍の特攻基地が置かれていた鹿児島県の知覧特攻平和会館でした。当時の特別インタビューや音楽メディアの取材記録によると、MISIAは館内に展示された隊員たちの遺書や家族・恋人へ宛てた最後の手紙を何通も読み込み、涙が止まらなかったと語っています。

「明日には命がないと分かっている若者が、最後に一番逢いたいと願った人は誰だったのか」「もう二度と逢うことが叶わない極限状態で、人は何を思うのか」。その痛切な感情の深淵に触れたことで生み出されたのが、サビで幾度となく繰り返される「逢いたくていま」というストレートなフレーズでした。恋愛関係の別れだけでなく、死別や取り返しのつかない離別を経験したすべての人の琴線に触れる理由は、この徹底した取材と命への敬意という制作背景にあります。

吉田 誠
著者

吉田 誠

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