腰椎麻酔看護の実践手順と急変を防ぐ観察項目・合併症予防の全知識

腰椎麻酔看護の実践手順と急変を防ぐ観察項目・合併症予防の全知識

腰椎麻酔看護の実践手順と急変を防ぐ観察項目・合併症予防の全知識に関する最新のニュースを速報でお届けします。関心のある方は必見です。

どれほどマニュアルを整備しても、臨床現場では予期せぬ事象が次々と発生します。現場の看護師たちが経験したヒヤリハット事例や手記の分析から見えてくるのは、数字に現れない患者の違和感をいかに言語化し、迅速な行動へ移せるかという実践知の重要性です。

ある総合病院の手術室・病棟連絡会議で共有された事例では、帝王切開後の帰室直後、血圧測定値は「102/64 mmHg」と一見して正常範囲を維持していたにもかかわらず、患者が「なんとなく胸苦しい、あくびが止まらない」と訴えました。担当看護師はこれを麻酔後の眠気と見過ごさず、直ちにデルマトームを確認したところ、知覚遮断がTh2(第2胸椎)まで達していることを発見しました。直後に血圧は70台まで急降下し、心拍数も40回/分台へ低下。即座の下肢挙上とアトロピン・エフェドリン投与により事なきを得ました。

低血圧の初期兆候として、生あくび、嘔気、冷汗、落ち着きのなさが出現することは臨床で頻繁に目撃されます。血圧計の数値が下がりきる前に、これらの自覚症状を捉えて腰椎麻酔 術後 低血圧を疑えるかどうかが、重大事故を食い止める防波堤となります。

一方、病棟帰室後の排尿管理においても典型的な落とし穴が存在します。「下肢のしびれが取れて普通に歩けるようになったから大丈夫」と過信し、自尿確認を怠った結果、膀胱内に800mL以上の尿が貯留して激しい下腹部痛と溢流性尿失禁を来す事例です。自律神経(排尿筋を支配する仙髄副交感神経S2〜S4)の回復は、骨格筋を動かす運動神経よりも遅れる傾向があります。下肢が動くことと正常に膀胱が収縮することは同義ではないという生理学的現実を、看護チーム全体が共有していなければなりません。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。