ミャンマー料理はまずい?油っこい噂の真相と日本人がハマる名店を徹底解説

ミャンマー料理はまずい?油っこい噂の真相と日本人がハマる名店を徹底解説

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インターネット上のレビューや旅行者の手記において、ミャンマー料理がまずいと言われる理由として圧倒的多数を占めるのが「料理が油まみれで重すぎる」という声だ。SNSや個人ブログの投稿を分析すると、現地のローカル食堂で提供される料理の表面に分厚い油の層が浮いている光景を見て、食欲を減退させたという体験談が散見される。だが、この油の存在理由を紐解かないまま口にしてしまうことこそが、最大の悲劇を生んでいる。

ミャンマーの主流民族であるビルマ族の伝統的な調理技法に「シービャン(油戻し煮)」がある。これは、多量の油にニンニク、ショウガ、タマネギ、各種スパイスを投入して水分を徹底的に飛ばし、素材の旨味を凝縮させた後、一度素材に吸わせた油を外へ滲み出させる技法だ。冷蔵設備が普及していなかった過酷な高温多湿の環境下において、油の膜で料理の表面を覆うことは、雑菌の繁殖を防ぎ食品の保存性を極限まで高める生活の知恵であった。さらに、仏教徒が多い同国では「油をふんだんに使うこと=裕福さともてなしの証」という社会的価値観が深く根付いていた歴史がある。

重要なのは、現地の食作法において「浮いた油はすべて飲むものではなく、風味の乗った具材をすくい取って白米と合わせるもの」という前提が存在する点だ。この文化的な文脈を理解せず、スープ感覚で油ごと胃袋に流し込んだ旅行者が激しい胸焼けを起こし、「油ギトギトでまずい料理」という短絡的なレッテルを貼ってしまったのが悪評の正体である。近年の洗練されたレストランや日本国内の店舗では、油の量を大幅に抑えて旨味だけを抽出する調理法が確立されており、かつての悪印象は完全に過去のものとなりつつある。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。