順風満帆に見えた結婚生活に暗雲が立ち込めたのは、2016年初頭のことです。渡辺謙が受けた人間ドックで初期の胃がんが発見され、内視鏡手術を受ける事態となりました。
渡辺謙の治療と看病に奔走していた南果歩に対し、夫から「果歩も念のために検査を受けてほしい」と勧められたことが運命を大きく変えます。同年3月、南果歩にステージ1の乳がんが発覚。摘出手術およびその後の放射線治療、抗がん剤治療を余儀なくされました。
互いにがんを患うという極限状態において、世間は「夫婦で支え合う奇跡の絆」と賞賛しました。しかし、後年のインタビューや手記で明かされた現実は過酷を極めていました。南果歩は治療によるホルモンバランスの乱れや精神的な重圧に苦しみ、重い鬱(うつ)状態に陥っていたのです。命の危機という極度のストレス下で、2人の精神的なバランスは徐々に崩壊へと向かっていました。