花瓶という存在そのものが持つ二面性が面白い。内側に水と命を湛える受容の象徴であると同時に、衝撃ひとつで容易に破壊される脆さを孕む。歌詞の行間から立ち上るのは、そのあまりにも不確かで歪んだ安心感だ。
「自分は生けられた花なのか、それとも花を受け止める容器なのか」。SNS上のリスナーコメントを追うと、立場によって解釈が真っ二つに分かれていることに気づかされる。愛されたいと願う受動的な苦しみを感じ取る人もいれば、相手を自分の枠に閉じ込めようとする支配欲を読み解く人もいる。この一筋縄ではいかない多義性こそ、何度聴いても底が見えない理由だろう。