なぜ初期段階で「美人局説」の真偽が公平に検証されなかったのか。そこには、日本のスポンサー企業と大手プロダクション、そして週刊誌メディアが形作る、いびつなリスク管理構造が存在する。当時、アミューズ側は危機管理の観点から、即座に無期限謹慎処分、そして契約解除という最極端な決断を下さざるを得なかった。
スポンサーやテレビ局への配慮が最優先されるあまり、事実関係の精査や「ハメられた」可能性の言及は二の次にされた。その結果、過去の傑作テレビドラマの再放送が差し替えられ、すでに制作が進んでいた日本映画や舞台の現場は大混乱に陥った。一人の俳優の失敗に対するペナルティとしてはあまりに苛烈であり、リスク回避を最優先する業界の脆弱性が白日の下に晒された格好となった。